見出し画像

65年間、社員の子どもたちにランドセルを贈呈。ソニー創業者・井深大の想いを今に

皆さんは、ランドセルをもらった時のことを覚えていますか?

ソニーグループでは、社員の子どもたちの小学校入学に際し、「ランドセル贈呈式」を65年前から続けています。ソニーネットワークコミュニケーションズでも、今年9人の新一年生がランドセルまたは文房具セット(※)を受け取りました。
一見珍しいこの「ランドセル贈呈式」がスタートした背景や、長年続いている理由、社員と家族への思いについて、式典を運営するソニーピープルソリューションズの担当者に話を聞きました。

(※)贈呈品はランドセルまたは文房具セットが選べる

ランドセル贈呈式に込められた思い

――「ランドセル贈呈式」がスタートしたきっかけは何だったのでしょうか。

鈴木:「ランドセル贈呈式」がスタートしたのは、1959年のこと。当時はランドセルが普及し始めたころで、高くて買えないと感じている社員も多かったそうです。それを知ったソニー創業者の一人である井深 大が「なんとかしてあげたい」との思いで、子どもがいる社員にランドセルを贈り始めたのがきっかけだったそうです。

井深は技術者である一方、子どもの教育に熱心で、教育振興財団の立ち上げや子どもの育成に係る支援などを行ってきた人物。「子どもたちの未来を大切に思う気持ち」は今なお引き継がれています。

鈴木 史彦(ソニーピープルソリューションズ株式会社 コミュニティデザイン室/趣味は体を鍛えること)

――コロナ禍でしばらくはオンラインでの開催でしたが、今回4年ぶりにリアル開催が叶いました。
 
岡野:昨年まではオンラインでの開催で、各家庭で贈呈式を行っていただく形でしたが、会社と社員、そしてご家族をつなぐ贈呈式として、今回は4年ぶりにリアルで開催。ソニーグループ各社役員の皆さんより、社員の子どもたち一人ひとりに直接ランドセルを手渡しする贈呈式を実現することができました。

鈴木:会場では贈呈する役員の皆さんが元気な子どもたちを見て、顔をほころばせていたのが印象的でした。社員や家族、子どもたちの交流も見られ、あちこちで「久しぶり!」と声を掛け合う様子や、「友達ができた」と嬉しそうに話している子どもたちもいました。そういった気軽なコミュニケーションもリアルならでは良さですね。

――式典では、たくさんの笑顔が見られて幸せな気持ちになりました。
 
岡野:子どもたちは少し緊張しながらランドセルを受け取って、受け取ったあとは本当に素敵な笑顔を見せながら堂々と保護者の元に向かっていくんですよね。そしてご家族みんなで喜ぶ姿があって、その一連の流れを見ていると私自身も一緒に感動して自然に涙が出てきてしまいました。
 
――ランドセル贈呈式で特に心がけていることは何ですか?
 
鈴木:「ソニーグループの一員でよかった」と感じられるようなイベントにしたいと心がけています。
その考えは、ランドセル贈呈式に限らず、さまざまな活動にあらわれています。たとえば退職された方同士のつながりを支援する「ソニー友の会」や、社員同士の交流を図る「クラブ活動」などです。

岡野 亜希子(ソニーピープルソリューションズ株式会社 コミュニティデザイン室 /今の趣味は日々の子育て)


「ランドセル贈呈式」当日の様子

ランドセル贈呈式当日は、ソニー吹奏楽団によるウェルカムコンサートからスタート。子どもたちにもおなじみのアニメのテーマソングや童謡で会場を盛り上げます。緊張気味で席についた子どもたちも音楽によってリラックスできているようでした。
 
式典が始まると、ランドセル贈呈式の生みの親であるソニーの創業者・井深 大の紹介と、かつての贈呈式の映像が流れました。

当時の映像では、井深が子どもたちへ贈った言葉も音声として残っていました

映像で井深は子どもたちに「自分のことばかり考えるのではなく、他のひとのことも考えられる“いい人”になってほしい」と呼び掛けていました。
 
そんな井深の言葉を受けて、ソニーグループ株式会社代表執行役会長CEOの吉田憲一郎が新一年生となる子どもたちに向けて祝辞を届けました。

その後、ランドセルができるまでの製造風景をまとめたVTRを視聴し、いよいよ子どもたち待望のランドセルの贈呈が開始。緊張した様子で一人ずつランドセルを受け取りました。

ソニーネットワークコミュニケーションズの社員の子どもたちには社長の渡辺からランドセルが手渡されました。子どもたちは緊張しつつも「ありがとうございます!」と声を弾ませていました


「ソニーで働けていることを誇らしく感じた」。参加者の声

今年のランドセル贈呈式に参加した、ソニーネットワークコミュニケーションズの社員のコメントをご紹介します。

新一年生にも話を聞きました。「(贈呈式で)近くに座っていた子と仲良くなれた!」

「会社のみんなの支えで、子どもも自分も成長できた」
 
息子は初めての場所に臆することもなく楽しそうに式典に参加し、ランドセルを受け取ったら誇らしげな表情で私のもとに歩いてきました。嬉しく感じるとともに「会社の皆の支えがあったから、息子も私もここまで成長できたんだな」とありがたい気持ちになりました。
 
「”いい人”になってください」というメッセージを聞いて、仕事でも生きることにおいても、相手を思いやることができないと「いい人」にはなれないと感じました。
式の後、息子は「”いい人”って誰みたいな人のことなの?」と尋ねてきました。きっと彼なりに、何かを心に刻んだのだと思います。

将来の夢を話してくれました。「大人になったらケーキ屋さんになりたい」

「ここで働けていることを誇らしく感じた一日」
 
式典からは、社員も家族も大切にするという理念を感じました。保護者席から見ていて、娘がとても緊張していることが伝わり、普段は見られない表情を見ることができました。娘の成長につながる機会になったと思います。
 
私は今年入社したばかりですが、ここで働けていることが誇らしく感じる一日でした。私の仕事や職場の雰囲気を家族に感じてもらえて嬉しかったです。

「タブレットで算数の授業をするのが楽しみ」と小学校への期待を話してくれました。

「社員の家族も大切に思ってくれていると感じた」
入社時は独身だったので、ランドセル贈呈式は遠い話と思っていましたが、こうして家族で参加することができ、とても感慨深いです。
保護者席から我が子を見ていて、1人で席につき、ランドセルを受取るときにはきちんとお礼も言えている様子に成長を実感しました。
「”いい人”になってください」というメッセージに企業理念の礎を感じると共に、親としても身の引き締まる思いでした。また、吉田さんからは子どもたちに向けて、感謝の気持ちを伝えることの大切さについてのお話も。式の後、子どもから早速「ありがとう」と言われ、ちょっとウルっとしてしまいました。
ランドセル贈呈式は、会社が社員だけでなく社員の家族をも大切に思っている、という理念が継承されているセレモニーだと思います。これからも続くといいなと思います。

社内イベントで「ソニーグループならではの体験」を

――最後に、今後予定している社内イベントや展望について教えてください。

鈴木:夏には国内ソニーグループで行う「All Sony Festival」 を、リアルとオンラインのハイブリッドで開催予定です。また秋には、小さいお子さんも参加できるソニー吹奏楽団のファミリーコンサートを開催します。イベントを通じて社員と家族がソニーのエンタテインメントや新たな知識に触れて、楽しみながらつながる機会を今後も展開していきます。

岡野:コロナ禍を経験したことで、リアルとオンラインを複合させたイベントを開催できるようになったのはひとつの進化ですよね。これからは、それぞれの良さを活かしつつ、「ソニーグループならではの体験」を考えていきたいです。
そして社員のお子さん達が「大きくなったら自分もソニーに入る!」と言って貰えるととても嬉しいです。


この記事が参加している募集

企業のnote

with note pro

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!