何年経っても、自分のキャリアはわからない! 女性管理職がぶっちゃける、あのとき、あの道を選んだ理由
「10年後、どうなっていたい?」
キャリア面談でたびたび聞かれる、そんな質問。用意してきた回答をすらすら言うあなたの本音は、もしかすると「1年先すらぼんやりしてる」ではないでしょうか。
「自分の未来があやふやすぎて、20代は悩むことがたくさんあった」。
かつて新入社員だった女性管理職たちはそう言います。これまでどのような道の上で何を決断し今に至るのか、思い悩んだときの選択の仕方について、20代の女性社員たちが2人の女性管理職に話を聞きました。
キャリアの舵を切ったのは「自分の感情に素直になった」とき。
関:正直言うと、いつも目の前のことに精一杯で、バタバタ生きてきたんですよね。けれど思い返すと、自分の気持ちに正直になったとき、新たな決断をしていた気がします。
入社して最初は秘書に。約3年後にキャリアチャレンジ(社内公募)制度を使って最初のキャリアチェンジをしました。そのとき持っていたのは「もっと自発的に事業に携わりたい!」という憧れのような感情でしたね。
その後は海外OEMの営業サポート業務に従事し楽しく働けていましたが、6年後には再び社内公募にチャレンジしました。理由は、モノづくりのソニーではやっぱりエンジニアにはかなわないなと、当時の自分に限界を感じたから。加えて、インターネットがものすごい勢いで一般に普及する中で「新しいことをやってみたい」という気持ちが抑えきれなかったからでした。
秋元:それぞれ、長く続けてから決断していますよね。どのくらい続ければ、次のステップへ進んでいいと思いますか?
関:在籍期間が長かったのはたまたまなんです。昔は「3年は我慢するべき」と言われることもあったので、その影響もあったかも。今はあらゆるサイクルが違うから、それはもはや過去の考えで、囚われなくていいと思います。どのくらい続けたかなんて気にせず、チャレンジしたいと思ったときに挑戦するのがいいんじゃないかな。
西村:桜川さんは前職でもマーケティングをされていましたが、どのタイミングでマーケティング職に就こうと決めましたか?
桜川:私は……何も考えてなかった(笑)。目の前のことにがむしゃらに取り組んでいたら、結果的に辿り着いた感じです。
1社目は法人営業でしたし、2社目はエンターテインメント業界でメディアの編集やPR、3社目はIT系企業でサービス作り。最終的に1億近いユーザーが利用するサービスを手がけていましたが、「規模感の大きなサービスを作りたい」というより「困っている人を助けるサービスを作りたい」と思って取り組んでいたら、気づくとユーザーが増えていた感じ。慌てて「ちゃんと部署を作ろう」となり、私がいたチームがマーケティングの部署になったことから、マーケティング畑に飛び込みました。
西村:周りが転職や社内公募制度を使っているのを見ると、私も自分の進む道をきちんと設計しなきゃと焦ります。設計せずに進んだ先にも、そんな未来が広がることがあるんですね。
桜川:明確な夢や描ける未来がないと不安になることもありますよね。けれど、まずは目の前のことにがむしゃらでもいいと思います。頑張ったその先に道ができていくんだと、私は思っています。
誰かと比べて落ち込むのは私たちも一緒。そんなときは自分の「いいところ」を身近な人に聞いてみて。
関:強みなんてないと、今でも思っていますよ。あの人すごいなと憧れたり、手に職がある人をうらやましく感じたりしてばかりです。
桜川:私も同じです。私が部長でいいのかなと自信を喪失することだってある。けれど、周りから言われて気づく評価もありますよね。
関:確かに、周りのメンバーが「関さんのこういうところっていいよね」と話してくれて、自分では気づいていない強みに気づかせてもらうこともあります。自分が自分を見る目と、他者が自分を見る目は違うんだなと思いますね。
「私のいいところを教えて」と周りにお願いしてみるのもいいですよ。自分の頭の中だけで考えず、年一回のイベントとして上司など身近な人に聞いてみるのはおすすめです。ちなみに私から見た桜川さんの強みは、「関係性をうまく作ること」だと思います。
桜川:わ、うれしい。人と関わるのは確かに大好きです。こんなふうに、自分が気づいていないところを教えてもらえるのはいいですね。
秋元:関さんは、最近資格も取得されましたよね。それも強みを意識してのことですか?
関:『ライフシフト』(リンダ グラットン, アンドリュー スコット著/東洋経済新報社)を読んだときに、「私はこれから『会社員』以外に何足のわらじを履けるんだろう」と思ったんですよね。そして何に活かすか、どのような強みにするかは考えず、キャリアコンサルタントの資格を取りました。周りからは「キャリア重ねたのに、まだ資格取るんだ」と言われることもあるけど、ずっと成長し続けたいと思っています。
会社員なら管理職を目指すべき? 大切なのは「どんな仕事を楽しいと思うか」
桜川:まったく思ってなかったですね。ちなみに、直近の転職時には「もうマネジメントはしたくない」と思っていました。けれど今、またマネジメントをやっています。
その理由は、今のチームでマネジメントってちょっと面白いかもと思えたから。元々、現場でエンジニアと話したり新しいものを作ったりするのが好きだったんです。でも急激にメンバーが増え管理業務や人材育成の役割が大きくなるにつれて現場に出られないことも多くなり、つまらなさを感じていました。
現在は、組織の目標に対し、個人ではなくチームでどう乗り越えるかを考えています。その結果、管理ではなく、いかに個々の力を引き出すかというマネジメント視点に切り替わりました。事業を推進する上で、選択肢と裁量が増えるのは管理職のいいところだなと気づきました。
西村:会社員としてキャリアを築くうえで、ステップアップするには何を意識したらよいでしょうか?
桜川:世の中的に「上を目指そう」という風潮があるけど、私は必ずしもそうでなくていいと思うんですよね。管理職が偉いというわけでもないと思うし。
それよりは、自分がどんな仕事を楽しいと思えるかのほうが大事。私のように、環境が変わったら、それまでは好きだと思わなかったことが逆に面白く感じることもあるので、ほんと仕事って奥が深いと思います。
関:子育て中の社員の働き方は、コロナ禍を経て大きく変わりましたね。オフィスワークとテレワークをフレキシブルに選択できるようになったことで、時間をより有効に使えるようになり「すごく助かった」という声を聞いています。マネジメント側も、部下が「いま何をしているか」ではなく「どのようなアウトプットが出たか」をこれまで以上に見るようになったと感じます。
桜川:ソニーネットワークコミュニケーションズには、育児だけでなく、介護やボランティア、不妊治療など、人生のさまざまな局面をサポートする制度があります。上手に活用して、両立を図っている人が多いと思いますね。
※詳しくは最下部のリンクから
関:まだ学生だった頃、専業主婦だった私の母は「これからの時代は女の人も働いて自立していかないと」と言っていました。結婚しても子どもを産んでも当たり前に働き続けることができる社会になるんだ!とそのとき感じたからこそ、子育て中の部下を持ったときも心からサポートしたいと思いましたし、子育てに限らず、誰もが楽しんでキャリア形成できる環境をみんなが作ろうと思えるようになるといいなと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。「面白かった」または、色々な人の働き方・キャリア形成について知りたいと思った方は、ぜひ♡(スキ)でお知らせください♪