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ヘルスケアデータ、活用できてる? 企業が手軽にデータ活用できる「mSafety」が日本上陸

病気やケガを未然に防ぐために、何かしていることはありますか?

昨今、注目を集めているものの一つに「デジタルヘルスケア」があります。しかしそれらのサービスの多くは、デバイスメーカーやプラットフォーマーがデータを所有しているため、利用したい企業がデータを自在に活用できないという課題を持つそうです。

ソニーネットワークコミュニケーションでは、その障壁をクリアすべく自由度の高いデータ活用を可能にした「mSafety™(エムセーフティ)」(※)の国内展開を推進中。企業が自由にデータ活用を行うことで、熱中症などの病気や就業中のケガなどを未然に防ぐことが可能になるなど、活用の幅が拡がっています。

スウェーデンで生まれた「mSafety」とは一体どのようなサービスで、自由度高くデータ活用できることで果たしてどのようなことが期待できるのでしょうか。欧州の事業責任者と国内展開の担当者に話を聞きました。

(※)mSafetyとは、ネットワーク常時接続可能なウェアラブル端末とヘルスケア・安全クラウドマネージメントソリューションをセットにしたソリューションサービス。


ヨーロッパで生まれた、人の健康を支える「mSafety」とは?

――はじめに「mSafety」について教えてください。

細萱:「mSafety」とは、心拍数や睡眠、消費エネルギーなどのデータを取得できるネットワークに常時接続可能なウェアラブル端末クラウドソリューションを組み合わせたサービスです。ウェアラブル端末を自社のソリューションとして組み込むことが出来るサービスを法人向けに展開しています。

【取得できる情報】
・心拍と心拍変動
・GPSによる位置情報
・歩行や走行などのユーザの行動検知
・睡眠検知
・消費エネルギー
・酸素最大摂取量(VO2Max)

一見、腕時計のようなデザインのウェアラブル端末
画面を切り替えると、さまざまな情報を手元で確認できる。どのデータをどの頻度で収集するか、ディスプレイに何を表示するかも、自社サービスに合わせてカスタマイズ可能

細萱:「mSafety」は、じつはヨーロッパで生まれたプロダクトなんです。Sony Network Communications Europe B.V.では、すでに高齢者の看護、建設や土木の現場や工場での安全管理に関わる事業を展開する企業に向けて展開しています。ニーズに応じて、各社でクイックに構築・導入できる点が特長です。

細萱 祐人(事業開発部/mSafetyの国内展開に関するプロジェクトリーダー。趣味はラグビー、ビール、撮り鉄の子どもの付き添い)

――mSafety」が誕生したきっかけは何だったのですか?

アンダース:現在、世界中で高齢化が課題となっており、社会保障制度の維持や医療・福祉従事者不足が懸念されていますよね。また、労働安全の分野においても、働く人の安全性に疑問が持たれてきました。ソニーの持つ通信テクノロジーを活用し、人々の健康に関するデータを収集し洞察を得ることで、これらの課題を解決できるのではと考え開発をスタートしました。

――ヨーロッパでは具体的にどのような使われ方をしていますか?

アンダース:最初の導入企業は、少々意外でしたが、海難救助のために「mSafety」を使おうとしていました。ウォータースポーツをする人が危険にさらされたときに、沿岸警備隊に救助してもらうサービスです。また、高齢者介護の見守りサービスや認知症患者の介護士向けのサービスに活用いただくケースや、バイオデータをモニタリングすることによって血液検査の頻度を低くするなどの活用事例もあります。

――他社にも似たようなウェアラブル端末がありますが、何が違うのでしょうか?

アンダース:一般消費者向けのウェアラブル端末の場合、デバイスメーカーやプラットフォーマーがデータを収集・所有するケースが多いですが、「mSafety」では法人向けにプラットフォームを提供しています。利用するお客さま企業はデータを自分たちで所有・管理・保護でき、効率的にデバイスを管理できるメリットがあります。

端末は軽く、わかりやすいインターフェースとしたので、装着する人からは「非常に持ち運びやすく、シンプルに使える」という評価をいただいています。

アンダース・ストレンベルグ(Sony Network Communications Europe B.V. / Head of the Health Solution Division 医療エンジニアリング会社の製品管理、通信プラットフォームの事業開発、サイバーセキュリティのマーケティング管理を経験。2019年より「mSafety」の事業責任者を務める)

なぜ日本に導入を? 現場で実感した日本企業の課題とは

――日本市場に導入しようと思った理由を教えてください。

細萱:日本は高温多湿のため、熱中症対策など安全に対する課題を抱えている企業が多い特徴があります。また、日本では「従業員を守るために投資をする」という考えが浸透しているので、本当に従業員のためになるものであれば導入されると考えました。

――2022年の2月より国内展開に向けたプロジェクトが始まりました。実際に日本市場に導入を進める中で大変だったことは何ですか?

細萱:日本の場合、ニーズがどこにあるのかを正確に把握することが難しかったです。前述の通り、熱中症対策など安全に対する課題を抱えている企業で需要があると仮説を立てていましたが、本当にそこにニーズがあるのかは、現場に飛び込みヒアリングを重ねました。その結果、仮説が正しかったと確信を持ち事業を展開することができました。

原田:従業員の健康・安全業務に対するソリューションとしての活用ではじまりましたが、今後は、更に現場の課題を解決するような用途での展開も考えています。DX化や、生産性の向上といった課題にもアプローチしたいですね。

原田 一馬(事業開発部/新規事業の立ち上げや推進を経て、23年4月より「mSafety」の担当に。趣味はサウナ、ボクシング)

――ニーズがある企業への展開に向け、日本にローカライズさせるうえで大変だったことはありますか?

細萱:他社にも似たようなウェアラブル端末があるので、違いをどのように伝えていくかは苦労しました。他社のウェアラブル端末では、自社で取得できるデータは最小限ですが、「mSafety」はどのように活用したいかに合わせて自由にデータを取得し使用できるので、その点をもっと伝えていかなければと感じました。

――国内展開するにあたり、ヨーロッパのチームとはどのように連携していますか?

アンダース:毎週、ビジネス面とテクニカル面それぞれに関するミーティングをおこない、ヨーロッパの先行事例から必要な情報を提供したり、新しい事例の共有をおこなったりしています。ヨーロッパと日本では、さまざまな点で違いがあるため、お互いを知ることが重要だと考えています。

――「mSafety」は、ソフトウェアによって用途が使い分けられるのも特徴の一つですよね。

アンダース:現在は、製薬会社が臨床試験のデータを収集できるバイオマーカーソリューションの開発に力を入れています。臨床試験にウェアラブル端末を取り入れるという試みや、患者さんが病院でなく自宅にいてもできる「分散型臨床試験」時のデータ収集に役立つため、欧米の製薬会社が関心を持っています。これを日本の製薬会社にもアプローチするための連携もしています。

若い世代へのしわ寄せを食い止めたい。「mSafety」にできること

――これからの未来、「mSafety」で実現していきたいことは何でしょうか?

細萱:ゆくゆくは「mSafety」を通して病気やケガになる前に自発的に予防する、という方向へ多くの人の意識を変えていきたいですね。なぜかというと、日本はとりわけ深刻な高齢化社会となっています。早く手を打たなければいけない段階になっており、個人的にも、このしわ寄せを若い世代が受けるのを食い止めたいと思っています。

具体的な課題の一つに医療費の増加に伴う保険料負担の増加がありますが、保険料を下げるためだけでなく自身の健康管理のためにも、未病の観点で自発的に行動を変えていくことが大事。「mSafety」などヘルスケアデータの活用によって将来「今これを食べたから血糖値が上がった」「今この行動をしたから体のリズムが変化した」と自分の体の状態が可視化されることで、結果的に行動も変わるはずです。

原田:「mSafety」は企業に導入していただくサービスなので、どのような業界でいかなる悩みがあるかを捉え、それぞれの課題を解決するソリューションにしていきたいです。「mSafety」はクラウドサービスも含めて変化できるプラットフォーム。各業界の企業の課題に耳を傾け、しっかりと理想を実現させていきたいです。

アンダース:導入企業のアイデアをより早く実現するためには、アプリケーション開発をよりシンプルにしていきたいです。また、労働安全性の分野でのソリューションも改良し、日本の導入企業に貢献したいと考えています。新たに追加した機能である、製薬会社向けのバイオマーカープラットフォームとしては、ソフトウェアにデータ解析機能を加えるなどの充実を図りたいです。

――グローバルな視点で見た、今後の展望を教えてください。

細萱:ヘルスケアのトレンドとして、将来的に病院のカルテが共通化し、その情報を特定の企業が持つのではなく患者さん個人が管理できるようにするという構想があります。ウェアラブル端末から得られるデータも同様に個人で管理され、データ連携が促されることで、より健康な生活をサポートできると感じています。

製薬会社向けのソリューションなど日本でまだ確立されていない市場に携われる楽しさと、日本企業が大切にする労働安全性を海外に向けて発信できる面白さを追及することで、様々な業界・地域が持つ課題を一つ一つ解決していきたいですね。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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