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「まさか自分が社長に」――起業により得られたものと「MEEQ」のこれから

皆さんは「起業」に対し、どのようなイメージがありますか?
「選ばれた人しかできないこと」「高いハードルとリスクを伴うこと」。そんなイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。

ミーク株式会社(旧社名:ソニーネットワークコミュニケーションズスマートプラットフォーム株式会社)を、社長・峯村が設立したのは2019年。「もともと起業なんて考えたこともなかった」という彼の決意に、当時は周囲や家族も驚いたといいます。起業するまでのキャリアや会社設立に至った理由をはじめ、どのような姿勢で仕事に向き合い、同社が手がけるNoCode IoT/DX Platform「MEEQ(ミーク)」(※1)を生み出したのか、話を聞きました。

(※1)MEEQとは、直感的なコンソール画面を通じて、簡単にIoT 向け通信サービスを購入・決済・登録・管理することができる「NoCode IoT/DX Platform」。システムを構築せずとも簡単にIoT回線を導入できます。低価格で柔軟な料金プラン、1枚から発注可能、短納期などの特徴から、スモールスタートにもマッチ。

「今やっておかないと!」数々の新規事業開発を経て、芽生えた使命感

――はじめに、これまでの経歴を教えてください。

峯村:新卒で、法人向けにIP電話や光ファイバー回線を提供しているベンチャー系通信事業者へ入社しました。ベンチャーなので担当業務は幅広く、営業からスタートしていろいろな経験を積めたと思います。その中で、現在の自分のキャリアにつながる経営企画や経営戦略に関する仕事も経験しました。

入社から5年ほど経った頃、取引のあったソニーネットワークコミュニケーションズの方から「新しい事業の立ち上げをするから来ないか」と声をかけてもらいました。前職でも新規事業の企画や開発に面白さを感じていたことから転職を決意し、「NURO 光」およびモバイル(MVNO/MVNE)事業(※2)の立ち上げメンバーとしてジョインしました。現社長の渡辺を含む5人ほどでスタートした組織でした。

(※2)
MVNO: Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略。MNOから回線の一部を借りてインターネット通信や音声通話を提供する事業者を指す。「格安SIM事業者」や「格安スマホ事業者」とも呼ばれる。
MVNE:Mobile Virtual Network Enablerの略。格安SIMを扱うMVNO業界へ参入する企業に対する支援を行い、MNO各社(docomo、au、SoftBankなど)とつなぐ役割を担う。

――まさに「NURO」の夜明け前ですね。

峯村:そうですね。最初に取り掛かったのは「NURO 光」の事業計画の作成。まだ事業として動かすかどうかも決まっていない状態だったので、数字まわりを整理して企画書を作り、「実施するに値する事業かどうか」を判断できる材料を揃えていくような感じでしたね。

並行してモバイル事業にも参入のチャンスが生まれたので、そちらも事業計画を作り、交渉や契約にも臨みました。大変な時期でもありましたが事業立ち上げの各フェーズを経験できましたし、事業が実際にサービスインしたときには大きな達成感を味わえました。

峯村 竜太(ミーク株式会社 代表取締役 執行役員社長/趣味は犬の散歩とファミリーフィッシング)

――「NURO 光」とモバイル事業がサービスインしてからは、どのような業務をされていたのでしょうか。

峯村:”0 → 1(ゼロイチ)フェーズ”が終了してからは、ソニー(旧ソニーモバイルコミュニケーションズ)のIoTサービスを立ち上げる企画チームへ異動、さらに同社のコーポレートストラテジー部門からも声を掛けられ、3年ほど籍を置いていました。

――その後、再びソニーネットワークコミュニケーションズに戻られましたね。

峯村:ソニーネットワークコミュニケーションズに戻ったのはMVNE事業の成長が少し落ち着いた時期でした。中長期戦略を検討する際に「MVNE事業はこれからどうなっていくべきか」という議論があったんです。これまでにやってきた“0→1”の事業立ち上げではなく、すでにあるMVNE事業を再び加速させるための施策を考えていく中で、拭えない危機感がありました。

どのようなサービスでも、何もしなければ緩やかに下降していくものなので、次の事業や新しいものを積み上げていかないと成長はありません。これまでにそのような事業をいくつも見てきたことから「今やっておかないと!」という使命感に動かされたのだと思います。

また、当時、モノ向けの通信やその周辺領域が伸び始めており、いざ市場が開いたときにチャンスを逃したくないとも感じていました。そんな危機感と期待感が「MEEQ」のサービスへつながっていきました。

起業の決め手になった「市場チャンス」と「会社の風土」

――「MEEQ」とは、どのようなサービスですか?

峯村:「MEEQ」はIoTやDX支援のためのプラットフォームです。たとえばタクシーなどのキャッシュレス決済端末やマンションなどに設置されているデジタルサイネージ、業務用タブレットなど通信が必要なあらゆるところで導入いただいています。

このSIMにより、遠隔地にあるメーターや発電パネル、モビリティなど、あらゆるモノにIoT回線を導入

峯村:特に強みを発揮するのがモバイル端末での利用。完全に固定して使える場所なら、固定回線のほうが安定していてスピードも出るのですが、タクシーなどのように移動していて、固定回線の利用が難しい場面ではモバイル回線を利用することになります。

サービスやプロダクトのIoT化にかかる開発コストを極力抑えたい、小さく始めたいという法人のお客さま向けに、価格を押さえつつ使いやすさやサポートを重視している点が特徴です。

――事例をお聞きしていると、自動化や情報収集だけでなくマンパワー不足にも貢献できそうですね。

峯村:そうですね。いま人の手でおこなわれている仕事に貢献できる部分もありますし、今後労働人口が減少する中でIoTによる手助けの重要性が増してくるとも思います。

ただ、私たちの仕事はあくまでも“黒子”。各業界のお客さまがこれまで人力でやっていたこと、アナログな方法でやっていたことに対して、「MEEQ」でお手伝いすることで新たな価値が生まれたり、イノベーションが起こったり。そういった挑戦に私たちもかかわれているという点で、やりがいも大きいですね。

――社内の一事業としてではなく、別会社として独立されたのはなぜですか?

峯村:元々あったMVNE事業に加えて、「MEEQ」のようなIoTやDXの領域へ手を伸ばしていくと、あらゆる業界の企業がお客さまになります。さらに、たとえば高齢者向けの見守りセンサーなどでは、お客さまは企業だけではなく一般の方にまで広がります。事業を成長させるには、外部のパートナーさんと提携していくほうが、これから伸びていく市場に速やかに参入していくことができると考えました。実際に、大阪ガスさんなど数社と資本業務提携させていただいています。

あとは、やはり自分で決めて動けるというのも大きいですね。ビジネスでは「正しいことを早くやる」が大事ですから、その二点から、独立するのが合理的だと考えました。

――周囲の反応は、いかがでしたか?

峯村:会社を作ることや経営者になることを目指していたわけではないので、家族は特にびっくりしていましたね。ただ、私自身、できるだけパフォーマンスを発揮したいし、どうせやるなら最大限の価値を引き出したいと考えるタイプなので納得感はあったようです。

ソニーネットワークコミュニケーションズについても、「チャレンジしたい」という思いを支える会社だと感じました。覚悟は問われますが、しっかりした思いと計画があれば、起業を後押しし任せてもらえる風土がありますね。

かけがえのない仲間ができた。勇気を出して起業して良かったこと

――これまでのキャリアの中で、思い出に残っている出来事はありますか?

峯村:この会社を起業すると決めたときに、賛同してくれた人が想像以上に多かったことですね。最初は4人ほどでスタートしたのですが、プランについていろいろな人に話しているうちに、どんどんジョインしてくれる人が増えました。

正直な話、ソニーネットワークコミュニケーションズにそのままいれば安定して仕事が続けられるはずです。「アドバイスだけ」というかかわり方も選べたと思います。それなのに、あえて「転籍」を選んで私たちのチームに入ってきてくれた。本当に嬉しかったし、だからこそ「みんなの思いにしっかりと応えられるような事業に育てていかなければ」「自分も成長しなければ」と気持ちが引き締まったのを覚えています。

また、ソニーグループ外から入社する社員も加速度的に増えており、すでに社員全体の半数を超えています。2023年4月には、新卒第一期生も入社予定です。数ある会社の中から選択してくれたことに感謝していますし、すべての社員がこの会社を選んだことを誇りに思える会社にしてきたいと思っています。

ミーク株式会社の社員構成は20代中盤から30代が中心。「ソニーネットワークコミュニケーションズには、アントレプレナーシップを大切にし、チャレンジする人を応援する文化が根づいていると感じる」とも。

――峯村さん自身は、起業の際に不安はありませんでしたか?

峯村:もちろんありました。でも、「やるべきことなんだ」という思いや危機感も強かったですし、それがソニーネットワークコミュニケーションズにとっても良い選択になると思っていたので、リスクテイクするしかないと思いました。そこに仲間ができたのは素直に嬉しかったし、一緒に来てくれたメンバーがいたことで不安は払拭されたと感じます。

――最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

峯村:勇気を出して一歩踏み出してみてほしいなと思います。自分で考えて動くことってリスクもあるし、怖いと感じることもある。でも自分で考え、周囲の人にも相談して「やるべきだ」と決めたなら、ぜひチャレンジしてほしいです。一度やってみると世界の見え方が変わることもあるし、それを繰り返すことで成長につながっていくと思っています。

人は、どうしても楽なほうへ流れたり、つい居心地の良いところに留まりたくなったりすることもありますが、そこを乗り越えて挑戦し、何かを生み出すということにつなげてほしい。かけがえのない仲間にも出会えると思います。

▼NoCode IoT/DX Platform「MEEQ」について
https://www.sonynetworksmartplatform.co.jp/meeq/


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