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「本当にここにいるみたい」。800キロの距離を飛び越える「NURO」オンラインプログラムレポート

「遠くに住むあの人に、今すぐ会えたらいいのに」

――そんなことを思った経験、あなたも一度はあるのでは。

高速光回線「NURO 光」と、あたかも同じ空間にいるかのような自然なコミュニケーションを実現させる「窓」(※)を使って、遠く離れた場所をつなぐ子ども向け体験イベント「NURO」オンラインプログラム

2023年12月、大阪府泉佐野市と宮城県多賀城市の会場をつなぎ、言葉を介したコミュニケーションから「シン・サウンド」を作るイベントを実施しました。その模様をお送りします。

(※)「窓」は、MUSVI株式会社が展開するテレプレゼンスシステム。距離の制約を超えて、人と人、人と空間をつなぎ、“あたかも同じ空間にいるような自然なコミュニケーション”を実現します。「窓」はソニーグループから技術供与を受け、縦型大画面で空間を感じさせるノウハウやステレオエコーキャンセル技術などを組み合わせることで、遠隔にいても同じ場所にいるかのような「臨場感」と「気配」を体験することができます。(テレプレゼンスシステム「窓」の詳細は文末に)


「向こうに誰かおるで」「こっちのことも見えてるんかな?」自然とコミュニケーションを取り始める子どもたち

「NURO」オンラインプログラムは、ソニーネットワークコミュニケーションズが取り組む社会貢献活動の一つ。体験機会が求められる場所へ高速光回線「NURO 光」を無償で提供し、子どもたちに新しい体験を届け、遊びと学びの場を提供することを目指しています。

クリスマスを目前に控えた12月下旬。それぞれの会場に子どもたちが集まりました。

最初「窓」にはカーテンがかかったまま。「向こうに誰かおるで」「こっちのことも見えてるんかな?」開始前から大阪会場の子どもたちは興味津々です

カウントダウンとともに「窓」が開き、イベントスタートです。

もう一方の会場の様子が映し出されると、両拠点の子どもたちからは自然と「こんにちは」との声
始まりたてはちょっと緊張気味の子どもたち

大阪-宮城間の直線距離は約876.3キロ。大人が寝ずに歩いて10日かかるほどの距離ですが、高速光回線「NURO 光」を介し、あたかも“すぐそこ”にいるかのような映像が「窓」越しに届きます。このシームレスな通信を生かし、今回子どもたちが挑戦するのが「シン・サウンド」づくりです。

私たちの身の回りには、さまざまなサウンドがあります。風の音、海の音などの思い浮かびやすい音以外にも、「キラキラ」「ワクワク」などの擬音・擬態語、普段喋る言葉や方言もすべてが「音(サウンド)」。そんな身の回りにあるたくさんのサウンドを集め一つの曲に編集し、自分たちだけの「シン・サウンド」づくりに挑みます。

※「シン・サウンド」づくりの様子や、できあがった「シン・サウンド」は記事後半の動画でご覧いただけます。

まずは、視覚から得られるサウンドを集めるワークからスタート。画像を見て感じた音を言葉にします。

例えば、下の画像。あなたならどのような言葉をあてますか?

大阪・宮城とも同じ画像を見て感じたことを答えます
宮城の子どもたちからは「バーン」というサウンドが届きました
大阪の子どもたちから飛び出したのは「ドーン」
この画像には……
「ゴーン、かな」
「あなたの願いを叶えよう」などの発想も
「なんでやねん」「いずい」など、互いの方言がサウンドとして飛び交うシーンも
聞き慣れない方言には「それってどういう意味?」とおのずとコミュニケーションが生まれていました

続いて、音を聞いてシーンや五感を想像するワーク。

流れてきた音を聞いて……
「その音を色にたとえると?」「感触があるとしたらどんな感触?」など、音を聞いて感じたことをグループで話し合います
4つのグループのうちの1つは、宮城と大阪で組んだチーム。「窓」越しに、どのような音に聞こえたか意見交換します
音をじっくり聞き、感じたことを共有し合います
「粉っぽそう」「フローラルな香り」など、音から感じたことを発表。これらの言葉が「シン・サウンド」の材料になります

最後は、未来の自分を想像し、その時に聞こえるサウンドを想像するワーク。いつ、どこで、自分は何をしていると思うか、そのときのサウンドをそれぞれで考えました。

「いつ」には「20分後」や「お正月」など、より具体的な言葉が入りました
出来上がったワークシートは「窓」越しに発表
「それいいね!」など感想を伝えあっていました

その後、大阪の子どもたちには宮城の、宮城の子どもたちには大阪のお菓子が配られ、自由に交流しながらおやつタイム。その間にサウンドエンジニアが、ここまでのワークで出たさまざまなサウンドを元に、即興で音楽を制作します。

ご当地のお菓子に「初めて食べた」「おいしい」と話が弾みます
おやつを食べ終わると、自然と「窓」の近くに集まってくる子どもたち。「私もチアやってるよ!」「それかわいいね」など、子どもたちだけの会話を楽しみました
その後ろで頑張るサウンドエンジニア。ぬいぐるみたちが見守ります

こうして完成した「シン・サウンド」。とても素敵な音楽ができあがりました。1日の振り返りとともに動画でお送りします。

「ここに本当にいるみたい」「新鮮で不思議な感覚になるイベント」

イベント終了後、子どもたちからは

「めっちゃ楽しかった。宮城は行ったことないけど、会ったことない人と窓越しに喋って友達になれてうれしかったです」

「こんなふうにオンラインで相手の顔を見て喋ったのは初めて。同じ場所にいるみたいな感じがしてびっくりした」

「シン・サウンドを作ってみて楽しかった。完成したものを聞くと、今日の出来事が思い出されて面白かったです」

などの感想が届きました。

子どもたちの顔には、コミュニケーションを取る楽しさや好奇心が滲み出ているようでした

大阪会場となった「さのだい子ども食堂 キリンの家」を運営するNPO法人キリンこども応援団代表理事・水取さんは

「オンラインゲーム大会など、インターネットを介した子ども向けイベントを開催したことはありますが、今回のような『映像でつながる』試みは初めて。イベントがスタートする前は、子どもたちが緊張するのではないか、内気になって喋らないのではないかと心配していましたが、盛り上がる子どもたちを見て、杞憂だったなと感じました。

宮城の子たちが本当に目の前にいるようで、新鮮で不思議な感覚になるイベントでした。終わった後も名残惜しそうにしている子どもたちを見ていると、物理的な距離はもちろん、相手との心の距離自体が縮まったように感じます」

と話しました。

いつの間にか「窓」を介して自然と会話していた子どもたち。間に入って話を取り持とうとしていたスタッフたちは、その様子にハッとするとともに「子どもたちには自分の意思で前に進んでいく力が備わっているんだ」と気づかされたようでした。

イベントが進むうちに、「窓」や「通信で結ばれた距離」を意識することもなくなり、終わる頃には「今度遊びに行くね!」と約束を交わしていた子どもたち。目の前にいる新しい友達とのコミュニケーションを純粋に楽しんでくれていた様子には、スタッフも皆、胸が熱くなっていました。

自分の考えを言葉にし、それに相手がリアクションしてくれる。
思わず笑顔がこぼれ、もっと話してみようという意欲につながっていく。

そんな「楽しい」「面白い」「うれしい」の感情が生まれた瞬間にたくさん立ち会えたこの日。人と人とのつながりを生み、ワクワクするインフラとしてテクノロジーが使われていく、そんな世界に向けて、私たちはこれからも通信の可能性を広げていきたいと思っています。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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