“10ギガのみ”で東北進出。常識を覆した「NURO 光」の挑戦とは
皆さんは、現在ご自宅で契約しているインターネット回線の通信速度を覚えていますか?
一般的には1~2Gbpsで契約される方が多く、利用用途や接続端末などによって必要な速度が変わってきます。しかし、契約した頃は十分に感じた容量も、生活スタイルの変化やネットコンテンツのリッチ化に伴い、わずか数年で遅く感じてしまうことも。
高速光回線サービス「NURO(ニューロ) 光」は、2023年2月より東北エリアでの提供が始まりました。来たるべき未来を見据え、販売プランは10ギガプラン(※1)のみとしています。今回10ギガに限定した理由やリリースまでの裏側など、「NURO 光」に関わる各担当にサービスに込める思いや挑戦を聞きました。
「早いスパンで時代は変わる」。前例のない“10ギガのみ”でエリア拡大した理由
――これまでと異なり、今回の東北エリアへの拡大では、10ギガプランのみで提供を開始しました。リリースの準備を進める中で苦労したことはありましたか?
田畑:まずは「10ギガプランのみで展開すること」を社内で理解してもらうのが大変でした。これまでのエリア拡大では、「NURO 光」のスタンダードである2ギガプランが主で、より高速・大容量を必要とする方にむけた選択肢として10ギガプランがあるというのが当たり前だったので、2ギガプランを提供せず10ギガプランだけで拡大すること自体がかなりチャレンジングだったんです。
また、これまで10ギガプランの申込はWebからしか受け付けておらず代理店様経由での販売等はしていなかったこともあり、社内からは様々な意見が噴出しました。
――従来の常識を大きく覆すことに、最初は社内でも議論があったのですね。どのように解決したのですか?
前田:10ギガプランが、ある意味これまでは一部のお客さま向けだったこともあり「本当に売れるの?」という心配がある一方で、10Gbpsのサービスが一般的になる時代が早い段階でやってくることは皆が想像できていました。お客さまの未来を考えたときに、お客さまのためになるのは間違いなくこれからを見据えた10ギガプランです。
「NURO 光」の事業方針は、変化を恐れず世の中の一歩先を行くこと。お客さまにとって価値があるという共通認識が芽生えてからは「どのようにすれば、お客さまにご理解いただき10ギガプランを選んでいただけるか」に考えがシフトしました。
――社内でも議論のあった「10ギガへのシフトチェンジ」を、お客さまにどのようなメッセージでお伝えするかも悩んだのではないですか?
益田:そうですね。今まで10Gbpsの速度を体感されたことのないお客さまは「速そうだけど何がいいんだろう」と感じてしまうのではという懸念がありました。
そこで、まずはCMで常に「速さ」へ一番のこだわりを持つ「NURO 光」の意思を表明したいという想いで「10Gでこれからのインターネットのスタンダードを変える」というメッセージを打ち出しています。
そこで興味をもった方が「この価格でこの速度なら」と納得感を得られるように、2ギガ、10ギガのいずれも初年度は月額980円とし、それ以降の金額差も500円/月にまで抑えています。
――サービスリリースまではどのように進みましたか?
前田:サービスリリースまでの8カ月、社内では同時進行で複数のプロジェクトが動きました。東北エリアに初進出するにあたって、拡大推進とサービス設計それぞれのプロジェクトが発足。加えて、10ギガサービスを本格展開していくために内部の業務や運用体制を強化し、拡大に備えるプロジェクトの3つを同時に進めました。
私は拡大推進と運用体制強化のプロジェクトマネージャー、田畑さんはサービス設計のプロジェクトマネージャーとして、全体を横串で見つつ、歩みを合わせながら情報連携を行いました。たとえば、営業は販路やエリアを積極的に拡大したい、技術部門としてはお客さまに提供する上で万全な運用準備をしたいと、それぞれの想いがある中、それぞれの意向を汲み取り最終着地させるようなシーンも。振り返ると、最大時のプロジェクトメンバーは60名ほど。大きなプロジェクトになりました。
田畑:東北エリア進出に伴いリリースする新しいサービスも含め、サービススペックをどうするか考える中で、決めなければいけないこと、各部署に決めてもらわなければいけないことが無数にありました。
また、サービスリリースは一つの部署の意向だけでは進みません。たとえば、あるシステムのリリース日を変更しようとしたことがあったのですが、じつは他のシステムにも影響することが後日わかり、再度調整を重ねたこともありました。プロジェクト終盤にはリリーススケジュールが流動的になったため、行き違いが生じないよう関係者には修正スケジュールを頻繁に共有していたのと、前田さん側のプロジェクトとも連携をとりながらリリースに向けて調整した大変さはよく覚えています。プロジェクトに参加・協力いただいた皆さんには本当に感謝しています。
前田:少しでも気になったらそのままにせず確認を徹底することで乗り越えました。基本的な動作ではありますが、とても大事なことだったなと思います。
いざスタートしてみると、ありがたいことに想定を上回るお申し込みを頂いています。私たちが伝えたかったメッセージがきちんとお客さまに届いたのだと感じ、皆で頑張ってきてよかったと感動しました。
メタバースやXRが当たり前になる時代がすぐそこに。10ギガで変わる私たちの暮らし
――そもそも、10ギガになることで、お客さまはどのようなメリットがあるのですか?
田畑:現在、さまざまな家電がネットにつながり始めていますよね。オンラインでスポーツ中継やライブ配信を見たり、ゲーム端末で友人とつながったりと、家族それぞれが同時にネットにアクセスしているご家庭もあるでしょう。ネット回線が速くなることで、ストレスを感じることなく快適にストリーミングサービスが再生されたり、普段とは異なる高解像度で見られたりと、感動を実感いただける場面は多々あると思います。
私たちが日々使用するインターネットのトラフィックは年々右肩上がりで上昇していますし、まだ成長中のステージではありますがメタバースやXRなど技術の進化も著しいです。これから先、あらゆるコンテンツがさらにリッチになるでしょうし、多くの時間をメタバース上で過ごすような時代がくるかもしれません。
その社会に見合う回線を、そのときを迎えてから後追いで提供するのではなく、今の時点で先回りして提供していくことが必要だと考えています。私たちがやりたいことは、世の中をリードしながら、生活変容を起こしていくこと。いざ大容量コンテンツが世に出てきたときに「うちは『NURO 光』だから安心」と思っていただきたいですね。
お客さまからの反響が励みに。世の中の変化をリードするためにできること
――現在、どのような反響がありますか?
益田:宮城での展開を発表した際、「宮城にも『NURO 光』が来たんだ!」「じゃあ10G申し込もうかな」というお声をたくさん頂きました。「待ちに待った『NURO 光』が来た」と喜ばれているのを肌で感じられて嬉しかったですね。
ありがたいことに、「NURO 光」はJ.D.パワー顧客満足度調査で7年連続No.1(※2)、オリコン顧客満足度調査でも2年連続No.1を受賞しており、東北以外のエリアでご利用中のお客さまからも反響をいただいております。計画的な設備増強を進めて、皆さんの期待にきちんと応えたいなと思います。
前田:私も、お客さまの声に対峙するたび、より良いサービスをお届けできるよう努めたいと感じます。高速回線の期待に応えられるよう、宮城でも当たり前を安定的に届けていきたいですね。
――最後に「NURO 光」の今後の展望を教えてください。
前田:北陸や甲信越、四国、沖縄エリアはまだ未展開。「申し込みたいけどエリア対象外だった」という声を頂くことも多いので、必要とされている地域に順次展開していきたいと考えています。日本全国で高速通信を体感いただけるようなインフラになれたらと思います。
田畑:「世の中の変化よりも私たちが早く変化し、より素晴らしい方向に変えていくこと」が私たちの使命だと思っています。社会インフラを提供する企業の一員として、より多くの方の生活をより豊かにするために何ができるのかを考えつつ、10ギガの普及やその先のサービス展開を推し進めていきたいです。
【編集後記】
今回は東北エリアに初進出した「NURO 光」に関わる3名に、リリースまでの舞台裏について聞きました。お客さまの期待に応えたいという率直な気持ちや、社会インフラを提供する立場として目指したい未来など、それぞれの情熱を感じました。
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